スマートシティ
技術で課題を解決する「持続可能な都市」
先進技術、情報・通信技術 (ICT)、IoTデバイスなどの新技術を活用して設計・運営される都市のことを指す。
スマートシティの目指す方向は、都市の複雑な課題に対処するための持続可能で効率的な解決策を見つけることにある。
デジタル技術や人工知能、IoTなどの先端技術を活用し、持続可能な社会の実現を目指すSociety 5.0の先行的な実現の場と定義されている。
多くの都市、地域では、まちづくりを進める上で、人口減少、高齢化、多発する災害、感染症リスクなどのさまざまな社会課題に直面している。
これらの社会課題は今後ますます深刻化すると言われているが、デジタル化による解決の可能性もある。
スマートシティでは下記、3つの基本理念と5つの基本原則が重視されている。
3つの基本理念
1.市民(利用者)中心主義
「ウェルビーイングの向上」 に向け、市民目線を意識し、市民自らの主体的な取組
2.ビジョン・課題フォーカス
「新技術」ありきではなく、「課題の解決、ビジョンの実現」
3.分野間・都市間連携の重視
複合的な課題や広域的な課題への対応等を図るため、分野を超えたデータ連携、自治体を越えた広域連携
5つの基本原則
1.公平性、包摂性の確保
全ての市民が等しくサービスを享受し、あらゆる主体が参画可能なスマートシティの実現
2.プライバシーの確保
パーソナルデータの利活用を進めるにあたり、市民のプライバシーの確保を徹底
3.相互運用性・オープン性・透明性の確保
都市OSにおける相互運用機能、オープンなデータ流通
4.セキュリティ、レジリエンシーの確保
プライバシー保護や災害等の緊急事態への備え
5.運営面、資金面での持続可能性の確保
地域に根ざした持続的なスマートシティの実現のため、安定的で自立した財源を用意
スマートシティ実現に向けた取り組みを加速させているコンサルティングファームもある。
PwC Japanグループは、地域の脱炭素化の実現に向けて、上流の戦略や事業計画の策定、アライアンス組成などを手掛ける。
アクセンチュアは、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、地域DXプロジェクトである「市民中心のスマートシティ」を全国に展開している。
今後、技術の発展をうけて、地方自治体はスマートシティ化を加速すると予想される。
都市部に人口が集中する中で、地方創生は現代の日本にとって見過ごせない課題だ。
スマートシティの技術や取り組みは、地域の魅力を再発見し、地域社会を活性化させるための強力なツールとなるだろう。